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物理数学 – オススメの参考書

物理学書籍紹介

物理数学 – オススメの参考書

物理数学というと,微積分,線形代数,微分方程式,複素解析,変分法,特殊関数(ガンマ関数,ベータ関数,ベッセル関数などなど),群論,微分幾何などなど分野に分けたそれぞれが該当するので,非常に広くなってしまう.以下では網羅性を重要視し,個別の分野に特化した書籍は挙げないこととした.また物理数学特有の道具的側面,もしくは数式にイメージを対応させる,といった側面も,何か特化したものとも言い難いので,これも良いと思ったものを挙げている.

詳解物理応用数学演習

必須の一冊.今すぐ読まなくても,全部読まなくても,この一冊は買っておくべき.
仮に独学するならば,尚更,必須の一冊.
もう絶対だ.何度でも強調したいくらいだ.

また本書に関して「数学的に厳密でない」とか「生ぬるい」という指摘を受けたとしても,
学部生レベルの世の物理数学の水準で言えば十分過ぎる水準で書かれているため,
ひとまず気にする必要はない.

しかし学部生時点で,もしそのような感情のあまりこの本が手に取れないとなれば,
最早,数学科に転科するか,数理物理学を目指す方が適性ではないだろうか.

因みに初版は1979年5月15日.実に40年以上にわたって生き残っている本でもある.
出版社の努力が伺える.

どうも私はこの年代(を最後に?)の書籍は質実剛健な書籍が多い気がしてならず,
奇跡の年代のように感じている.これはただの感想.

ところでこの本は演習書に過ぎない.

実は二巻本からなるテキストが存在していて,その一巻目の演習書がこの本になっている.
ただ残念ながらそれら二巻とも絶版になって久しい.

そのテキストとは次である.

圧倒的な密度でまとめられており,絶版であることが非常に悔やまれるテキストである.

フェアで共立出版のスタッフの方とたまたまお話できる機会があり,
復刊できないものですかねぇ,と聞いたことがあったが,
「いやぁ,後藤先生(ゴトケン?)のですか,チョイスが渋いなぁ」
とニコニコ顔で盛り上がったが,
お気持ちはわかるけど,売れる本ではないので,難しいとのことであった.
(もうずっと前のやり取りなので,記憶違いでしたらすみません)

ただ,ぶっちゃけその通りだと思うので,
現状,演習書だけでも販売継続されていることに感謝感謝である.
何より,これら詳解演習シリーズすら売れなくなっている事実がある.

これだけの素晴らしい書籍が絶版にならず,今後も販売していただけることを切に願う.
(これを完全に超える演習書が登場しての絶版なら,まだ良いのだが・・)

テラカン

広範囲の内容を一貫した協力体制の下で,
詳しくまとめてくれた和書は本当に数えるほどしかない.
その中でもテラカンは代表的な一冊だ.
本書は1931年4月1日に初版がでて,その後,23年間刷られて,
ついに紙型がダメになり,じゃあこれを機に増訂版作ってみないか?という,
今では到底考えられないような教育的な意欲が溢れんばかりの熱意で作成された.
その熱意は増訂版一冊では尽きず,協力者を募って応用編が出版されたほどである.

その応用編は増訂版があえて守備範囲外とした物理学の諸問題にスコープをあてており,
様々な重要な微分方程式,グリーン関数や超関数論,WKB近似,変分法などなど,
非常に広範囲のトピックを扱っている.

現代では誘惑が様々あり,それこそ商業主義に徹したレトリックに塗れた本も珍しくない.
このような本は一冊1500円から3000円台だが,
これら数冊分で購入できるのだから,専門課程に身を置いているのならば,買って損はない.

ところで佐藤幹夫氏はテラカンを夢中になって読み,その具体的な題材で修練を積む内に,
佐藤超函数へとつながっていくことになったという.という話は有名だ.

ここは腰を据えて,自分の知っているところからでも良いので,
どこか一章を読み切るということから始めてみるとよいだろう.

Mathematics of Classical and Quantum Physics (Dover Books on Physics)

本書は詳解物理応用数学演習とほぼ同じ範囲をカバーしいている.
Dover なので比較的安価に手に入れられるという点も嬉しい.
実は二巻本なのだが,それらを一冊にした合本が本書である.

伝統的な量子力学を学ぶことを目標にして,物理数学を学んでいきたい場合は,
うってつけの章構成になっているのでオススメしたい.

Higher Mathematics for Physics and Engineering (English Edition)

もし,現代に詳解物理応用数学演習やテラカンのような網羅的な本があったら,
と思えるような本がこちらである.
Mathematics of Classical and Quantum Physics (Dover Books on Physics) よりも網羅性が高い.
また非常に丁寧にまとまっており,要点を抑えて前に進んでいくスタイルが一貫している.

重要な事柄には網掛けを行い,何が定義なのか,
定理なのかが一目でわかるようになっており,
また適宜,注意も記載してくれている.これは読みやすい.

実解析,複素解析,関数解析,ルベーグ積分,フーリエ解析,ラプラス解析,ウェーブレット解析,微分方程式,テンソル解析といったことを豊富な計算例を交えて読みすすめることができる.これは洋書ではあるが,とてもオススメしたい一冊である.日本人著者ということもあり,英語の勉強にもなるだろう.

物理数学入門 I と II (Chun Wa Wong)

残念ながら訳書は絶版になっているが,この本は物理数学とはこういうものだ,
という姿を見せてくれて良書である.
物理数学は物理現象を見通しよく扱うための数学である.
これを忘れてはならない.

従って背景にある物理との対応を述べながら物理数学は説明されることが望ましい.
しかしそのような本は以外に少ない.

本書はそのような対応を多く述べている方の部類である.
物理学者ならこう考えて,こう数学を使う,そういうような空気も感じられる本である.
そして特にフーリエ級数や複素関数の項では,
やや込み入った問題にも立ち入って議論しており役立つことと思う.

また線形代数では完全反対称テンソルを早々に導入しており,
相対論や場の量子論で多用される添字計算に,
この段階から慣れ親しむことができるという点で有用でもある.

この他,何となくだが,工学出身が読むと読みやすい本のように感じている.

なお本書ではバーゼル問題をフーリエ級数で求めることを行っているが,
物理的な意味を更に追求すると,次の解説動画のように平面上の無限個ある光源で解釈することも可能である.

訳書は絶版だが原書ならばおそらく今後も入手可能であろう.

Advanced Engineering Mathematics

培風館のホームページの検索で「クライツィグ」と入力するとでてくるシリーズの原書である.

ただまぁ,えっと,ちゃんとした原書を手に入れるのが至難の業かもしれない.
International Student Version と本表紙のどこかに書いてあるものは,
おそらくひどい印刷で,最悪の場合は落丁すらままあるらしく,
買って損した,という気持ちになるかもしれない.
たった今,こうはいったものの「International Student Version」が,
その判定基準として正しいのかもよくわからない.

この他,私はKindleを持っていないので,確かなことが言えないが,
Kindle版が異様に安いので,その点も「大丈夫か?」と思っている.

そういう意味では訳出した培風館の本を買った方が賢いかも..

さて本の内容だが,圧倒的な網羅性と実用性で最上クラスの一冊である.
正にワールドクラスというべきか,である.
ただこれまで紹介したような同様の網羅的な書籍と比較して,
深さという点では劣るかもしれない.
まぁ,劣ると言っても,工学で用いる学部の物理数学では十分では,
と思ったりする水準である.

ベクトル解析

ベクトル解析は物理数学固有の地位を占めている感があるので,
これだけは分野に特化したものを挙げることにした.

さてベクトル解析というとき,以下の分岐が発生する.

  • 物理・工学向け
    • 古典力学や電磁気学や流体力学での計算,いわゆる grad, div, rot(curl)
  • 数学寄り
    • より一般的な空間での解析,ベクトル空間や微分形式といった構造

これら二種の分岐それぞれについて書籍を紹介しておきたい.

物理・工学向け

div,grad,rot,… (物理数学One Point)

「rot がどうして回転なのかがわからない」ということがしばしば流行る(?).
ベクトル解析の説明で,これがハイライトになるようなことも場合によってはある.

rot の解説をしている書籍が実はない,ということはない.
割と身近に,それこそ,そもそも教科書に書いてあるということもままある.
ただ教科書の場合は,それだけに説明を割いているわけにはいかない(?)ので,
なんとなくここでドロップアウトしてしまうことも多いのではないだろうか.

本書はdiv,grad,rotだけに的を絞った本で,その辺りの解説が主題となっているため,
もしこれら演算の意味がわからなかったとしても,
ポケットリファレンスのように使うことができる.

嬉しいことに曲線座標系についても最後に触れられており,
もう少し高度な話題へ入っていくための準備もできる.

ところで想像力逞しいが故に,マクスウェルはファラデーと定期的にやり取りを行う中で,
いわゆるエーテルの実在を仮定して,力学的な歯車が噛み合うモデル(Maxwell’s molecular vortex model)を考えたことがあった.このようなニュートン力学的(機械的)世界観では限界があり,マクスウェルがこの機械的なモデルを取り除いていって,マクスウェル方程式に到達することになる.それは場の概念を考えるに至っていく前夜だった.

ベクトル解析

本書は物理・工学向けのベクトル解析を扱ったテキストである.
この意味でのベクトル解析のテキストとして,
古くから定番とされていた本である.
ただ半世紀も過ぎたので,古さは否めない.

とはいえベクトル解析で必要な計算は網羅されており,
また記法が現代のものと比べて異なっているかと言うと,
そのようなことはなく,普通に読める.

本書は全体を通して,応用で表れるベクトル解析の計算に主眼をおいており,
物理や工学で問題をしばしば題材として選んで解説を行っている.
これら題材は基礎的なものばかりなので,色褪せることなく,現代でも得るものがある.
実際に手を動かして,様々なベクトル計算を行う必要がある人にとっては,
今でも有用なテキストだ.

数学寄り

ベクトル解析30講 (数学30講シリーズ)

タイトルだけを見ると,div や rot などがでてくる普通のベクトル解析のようにみえる.
ところがどっこい,全く違うのだ.

「ベクトル」こうよぶ対象が単に位置や速度などを表し,
そういう単なる多成分量としての見方や,その上のやや複雑な微積分法という見方ではなく,
座標変換の不変性を主題に置いた解析学という視点にたった書籍なのだ.

座標系の設定とは無関係な概念はとかく純粋な幾何学的概念といえるものだが,
そのような話を理解しようとすると,多様体論が必須になる.
しかし多様体の構造を理解して,
今の文脈の意味でベクトル解析をやろうなどとすると,ものすごい手間である.
おそらく何度も轟沈し,その割には思ったような成果が挙げられないのではないだろうか.
というのも数学科以外で多様体を本格的に学ぶことは難しい.

本書はそういう読者であっても,座標変換不変性を主題としたベクトル解析の理解に必要な諸概念を一つずつ手際よく理解の階段を上がっていく本である.
最終的には,多様体や微分形式,リーマン計量の話にまで到達できる.

また仮に多様体を本格的に手を出そうとする場合でも,
本書で予め計算や考え方に触れておけば,
抽象論でもある程度確かなイメージを持って理解していけるはずだ.

ナーイン氏の著作

ナーイン氏は電気工学の教授で物理学と数学の架け橋になるような本をよく書かれている.
著作物の特徴としては歴史的背景を大事にされるところである.

日本では科学史を学ぶ機会は殆どゼロに等しく,それら科学者の人となりや生きた時代,
当時の数学・物理・工学などの科学的背景を合わせて理解することが難しい.
氏の著作はそのような点についても述べられており,
歴史を紐解いていく感覚が味わえてオススメである.

オイラー博士の素敵な数式

もし電気電子工学に親しみを持つ方であれば,本書はかなり楽しめる本だろう.

$$
e^{i\pi} + 1 = 0
$$

このオイラーの公式を話題とした読み物は多いが,
初等的な範囲で終わることも少なくない.
しかし本書はかなり具体的にフーリエ級数や超関数の話(数学的厳密性は注意すべきだが)をしている.

  • 無理数や超越数の概念が浸透する.
  • フーリエ級数が見つかる.
  • 複素関数の扱いが本格化する.
  • エネルギー概念が正しく解釈されだす.
  • 数値計算を意識しだす.

などなど,現代では当たり前になったような,しかし初見では決して初等的でない事柄だが,
こういった初期の蠢きの中,正に混沌とした中をオイラーが圧倒的なパワーで開拓していった,
そんな雰囲気が感じられる本である.

なお本書は文庫版が2020/11/12に出るようで楽しみである.

Mrs. Perkins’s Electric Quilt: And Other Intriguing Stories of Mathematical Physics (English Edition)

本書のタイトルはファインマンの無限梯子回路と関連している.

この回路は第3章で述べられるが,
何故そのような話題を挙げたのかは第13章で明らかになっていく.
抵抗回路と方形分割の対応(スミスネットワーク)はしばしば語られる項目だが,
この対応によってあたかもキルトを電気化したようなので,そのようなタイトルになっている.

ナーインらしく歴史的コメントには気を配っている.
というのも今回は方形分割への日本人の貢献について正しくコメントしており,
その意味でも大変に信頼できる.
歴史に埋もれた方形分割と安部順序への言及は
かなり調べないと分からなかったのではないだろうか.

よく数学的知見は将来どこかで役に立つ日が来る,という旨のことが言われるが,
大抵は偉大な数学者の結果に対してそう言われるものであって,
無数に存在する他の何者かによる細い細い糸のような貢献がこうして息づいているかと思うと,
何だか救われるような思いである.
科学史の重要性はこのようなところにもあるような気がしてならない.

なお本書は非常に丁寧な装丁になっている.
表紙デザイン,遊び紙の色選び,タイトル絵,フォントなどなど,
この点も評価が高い.
是非,(可能ならば書籍版で)読んでいただきたい一冊である.

番外

今度こそ納得する物理・数学再入門 -誰もが答えを知りたかったFAQ- (知りたい!サイエンス)

抽象的な議論や具体的な計算に疲れたあなた.

こんな計算していいの?これって結局何を表してるの?

そんな素朴な疑問,何度か抱いたことがあるだろう.
そういったよくありそうな疑問集に答えるのが本書だ.

あと,よく先生役と学生役が話をしながら,疑問に答えていくという形式の本がよくあるが,
やたら物分りの良い学生や,毎回答えがわかっているかのような質問をする学生が登場しがちだ.
しかし本書で登場する学生のセリフはなんとも臨場感がある.
良い子ぶってないというか何というか.

ところで著者はSF好きな物理学者.
ユーモアもあり,教育に力を注いでいることがよく伝わってくる.
そんな方がこれまでの確かな経験をもとに集めた FAQ なので,
仮に疑問点がないような方でも,自分の理解に対してどんな差があるのかな,
という視点で見ても得るものがあるだろう.

難点は本著者には(著述が多いゆえか)誤植が多いこと(で有名?).
「そんな自信満々に言われると(書かれると),自分が間違っているとまずは疑うじゃん.」
という方も多いし,尤もな話なので,
そのようなスタイルが苦手だと人を選んでしまうこともあると思う.
その場合はそういうクセがある本だと大目に見て読むのが一番である.
サポートページには errata があるので,そこも確認しておこう.

機械じかけの数学 リーマンの定理、オイラーの公式への力学的アプローチ

至って数学的な定理について,それを力学的に解釈するとどうなるか?
という考えでまとめられた稀有な本である.
終盤では微分幾何や複素解析に関しても解釈の手が及んでいる.

ところでアインシュタインによるピタゴラスの定理(三平方の定理)の証明は有名だが,
この件について触れられているようで,触れられていないかのような書き方になっているのが,
ちょっと残念と思うところである.

面白い本なのだが,原書と同じく横書きにすればもっとよかったのに,と思う本である.
青土社の守備範囲外なのかもしれないし(そんなことはないと思うが),
縦書きにすると読者層が増えるという狙いだったのかもしれない.

とはいえ,縦書きでも数式を省かなかったのは良かったし,
訳出してくれたことは大きい.

数学が解き明かした物理の法則 (BERET SCIENCE)

物理学の法則は数学で曖昧さなく記述されるものであるが,
それはつまり数学が発達していないと,そもそも記述できないことを意味する.

かつてケプラー(実は居酒屋の長男)は酒樽の量が実態とかけ離れていたことに憤慨してか,
『ワイン樽の新しい立体幾何学(Nova Stereometria dolorium vinariorum / New solid geometry of Wine Barrels)』という本を書いている.
これは今日言うところでの積分であり,身近なところでも「数学がない」ことの一例としてみることもできるだろう.

本書は数学が自然界の法則を解き明かしていく様をプリンキピアまで遡って,
解析力学,一般相対論,量子力学と一つずつ現代物理学へ向かって話していくものである.
物理数学という単元(?)をこれから学ぼうという場合には,
実際にどのような形でこれまで物理学の発展に貢献してきたかが知ることができて,
非常に有用な書籍だと思う.

東北大学学習支援センター (SLAサポート) 学びのヒント

およそどの大学でも自治的な組織が大なり小なりあり,
その活動目的として学習支援をする組織がある.

そのような組織の中で,素朴な題材ながら,良質なコメントで,
サポートをされているところを見つけることができた.

「学びのヒント」にある投稿は一読の価値あり!
何より優しさが伝わってくるようです.

OpenStax

無料で利用できる優良な学習リソースの一つとして,OpenStaxを紹介したい.
ケタ違いの圧倒的な物量とはこのことなのかと思う次第である.
是非,その目で確かめていただければと思う.

マセマシリーズ

正直,オススメとして挙げることを相当悩んだ.
個人的には中高生か,学部1年前期までが最も効力があるように思う.
効率やザッと思い出すという点では悪くないかな,と思った,というところである.
ただ学部3年でこれをありがたがるとなると,もうどうにも手遅れだろう.

とにかく物理数学を猛スピード,速習一点張りで望むならば,マセマ一択であろう.
(そして改訂のスピードも早い)
大学生の究極のニーズであろう「単位が欲しい」「受かりたい」とかを
忠実に具現化したシリーズである.

速習ということで,
「ああ,こういうことを学ぶのかぁ」
と全体像を予めザッと掴んでおくという点では良書と思う.
割り切る,それが人生には大切なときもあるだろう.

とにかくこれでもかというくらい手取り足取り徹底的に式を噛み砕いている.
中高生が読んでも,ふんふん,と読めても不思議ではないくらいである.
(場合によっては意欲ある小学生でも)

装丁や帯,キャッチコピーが胡散臭くて仕方がないが,
ものによってはブロムウィッチ積分やリーマン・ルベーグの補助定理など
高度なトピックを扱っていたりする.

そういう点で頑張っており侮れないが,
「納得いった?」とよく同意を求めてくるので,
本当に納得したのか,果たして正しい論証なのかどうか,
感覚が麻痺しない程度に注意して読む必要がある.
そしてこれは物理数学のほんの入り口に過ぎない.

余談

現代物理学では高度な数学が使われている.
そしてその度合はより強いものになっていっている.
しかしながら厳密性を気にするあまり,
いつの間にか数学してしまっている,ということもなくはない.
そう,専攻すら変えてしまうことも決して珍しいことではない.

その一方で物理学者特有の数学の使い方という視点もある.
勿論,「物理的直観」の名の下に,
次のTweetのような,すべてが正当化されるわけでもなく,
どう塩梅をみつけていいものか難しいはずだ.

これがもし身近に先導者がおらず,自らが理論を学んでいくか,
開拓していく場合には,本当に正しい議論をしているのか,
正に本当に悩むことだろう.
仮に先導者がいたとしても,本当に正しいことを述べているのか,
世に公表するような機会があれば,大いに精査すべき機会が必ず訪れる.

こういった場合にそれまでどれだけ物理数学と向き合って,
積み上げてきたかが違いとして表れる.
それは確かな「物理的直観」なのか,箱庭の「物理的直観」なのか.と.

一度,何か怪しげな推論を行って得た結果であっても,
少なくとも実験で得られている結果をよく説明していそうであれば,
その推論もしくは演繹にはより高度な数学があるのではないか,
そして同じような境遇は,これまでに程度の差はあれ,あったのではないだろうか,
そう考えて物理数学を学んでいくと,良いかもしれない.


最後に宣伝で恐縮でありますが,
Math Relish 物販部もご利用いただけたらと思います.

2020-10-19物理学書籍紹介